橋下知事に聞く 大阪府住宅供給公社 出資法人改革の象徴

2月定例会で酒井豊議員

 

  自民党府議団は、財政再建の大きな柱として、多額の委託費や補助金の執行により運営されている、大阪府の外郭団体である出資法人のあり方を徹底的に見直し、出資法人の廃止や統合、民営化について提言してきました。大阪府住宅供給公社についても、設立当初の役割が変わってしまった今日、民営化により、大胆な経営改革を図るべきと求めてきましたが、府はこれに対し、昨年8月公社の形態はそのまま存続し、事業を段階的に縮小すると表明しました。

  昨年10月の住宅水道常任委員会で、酒井府議は当時の太田知事はじめ理事者に、民営化を排除した計画の矛盾を指摘、経営改善の徹底と計画の見直しを求め、改めて、本年春に管理計画が提出されることになっていました。

  本年1月、財政再建、子育て、出資法人改革を公約に橋下知事が誕生、早速、3月21日の住宅水道常任委員会で、府の出資法人で最も大きな住宅供給公社を今後どうするのか、橋下知事の考えを聞きました。

  住宅供給公社

酒井委員  出資法人改革にどのような考えで臨まれるのか?

橋下知事  出資法人については、設立当初の事業目的をすでに達成しているケースもあれば、当初期待されたほどの効果を発揮できてないケースもあり、現時点において、法人が行っている事業が必要であるかどうか、法人そのものの必要性について検討し、また、民営化可能な事業は民営化を図っていく。

委員      これから具体的な検討されることと思うが、正確に事実関係を把握されて、トップとしての決断をされたい。昨年からの理事者の答弁では、公社形態をとる理由として、行政の補完機能としての公社事業の役割があり、税の恩典と信用力により、公社形態が必要だと言っているが、民営化を避ける本当の理由は、総額1900億円にのぼる借入金問題であり、なかでも690億円にのぼる宅地開発事業の未清算借入金の処理問題にある。10年間の管理計画で、500億円の返済をする計画だというが、それでも10年後に、宅地開発事業で200億円、賃貸事業では1200億円の借入金はそのまま残る。大阪と類似の神奈川県では知事の決断で民営化の基本方針を決定、既に借入金の圧縮と人員の4割削減を断行している。トップとしてどう判断するかが問われている。どんな方針で改革を進められるか?

知事      民間企業など、公的サービスの担い手が拡大する中で、「公」から「民」へは基本的な時代の流れと任意している。住宅供給公社についても、総点検の見直し対象の中に入っており、今後のあり方を点検してきた。しかし、委員指摘のとおり、負債、資産をどう扱えばいいのか、その新たな仕組みが正直言って思い付かない状況である。何か仕組みを大きく変えるような方法があれば、その仕組みをやっていきたい。改革プロジェクトチームも含めて、担当部局とも新たな公営住宅のあり方や公社のあり方を検討しているが、今のところ、具体的な案が出てきていない。議会が外部の有識者等からの知恵を借りながら、なんとか新たな仕組み作りをしていきたいという思いである。

委員      知事は平松大阪市長に水道事業、信用保証協会、住宅供給公社の3事業について、府市統合を提案されたようだが?

知事      3事業の統合を市長に投げかけたろころ、その後、住宅供給公社の統合については、いろいろと検討したが、公社の役割や事業内容が府と市では、本質的に大きく違う部分があり、完全な事業統合は難しいのではないかと思っている。

委員      2重行政という言葉で何事も集約されがちであるが、実際には業務の中身と、その業務にとってこれからどうすることが最も大事がということを精査され、核心を押さえた対応をされるよう望む。