2月議会を間近に控えて

 

大阪府議会議員       

 

  毎日、寒い日が続きますが、皆様にはお元気でお過ごしでしょうか。昨年8月にこの府政報告をお届けさせていただきましたが、それからわずか半年、世の中はすっかり変わってしまいました。グローバル時代とはいいますが、これほどまでに世界が一つになっているかと思うと、今更ながら恐ろしいほどです。

 

  100年に一度の経済危機

 

 米国の住宅ローンの破綻から始まった世界金融危機でありますが、問題は世界の金融システムがあっという間に機能不全を起こしてしまったことです。このため、世界中の企業の株券や債権が一編に値を下げたり、今まで優良と思っていた資産がまたたく間に不良資産に変わってしまうという、いわばドミノのような状況に世界中が信用不安になってしまい、この結果、一挙に消費や需要が落ちてしまっているというのが現状ではないかと思います。

今回の経済危機を100年に一度の大危機という評論家の声もありますが、100年に一度であるかどうかは別にして、大変な経済危機であることは間違いのない事実であり、それだけに、政府も地方自治体も、総力をあげてこの危機克服にいかに的確に対応するかが強く問われています。

このため、国では1月5日より国会を開き、20年度補正予算や21年度本予算の審議を行っている最中であり、大阪府でも今月24日より2月府議会を開き、21年度予算案の審議を行うことになっています。

国では、この問題の根源である信用不安の解消や需要の喚起、雇用の確保といったことが大きな仕事となりますが、地方では、地元中小企業の資金繰りの保証や、地域での雇用の確保、あるいは医療や福祉などといった現実の生活の場での府民生活の安定・安心をはかるということが最大の役割になります。

 

  2,500億円の税収不足

  さて、その予算の編成ですが、大変つらいことには、対策を打たねばならぬ側の行政が、実は景気の影響をもろに受け、その対策に必要な税金が、大幅な減収になることです。一番直近の税収予測では、今年の府税は、昨年比18%減、約2,500億円もの税収不足となると予測されています。昨年の橋下知事のあの思いきった財政再建で改善できた収支が1,100億円ですので、このたびの税収減がどれほど大きいものかが想像いただけるのではないかと思います。

いま、大阪府では、予算編成の最終段階を迎えていますが、その年の税収に併せてその年の支出を決めるんだ、という昨年の財政運営の手法だけでは、この非常事態は乗り切れません。そこで私たちは次頁に記載しましたとおり、費用の圧縮はもとよりですが、あらゆる収入策を駆使し、府民生活の安定のための予算編成がなされるよう橋下知事に強く求めているところであります。

 

  WTCへの府庁舎移転問題

  また、新年早々から橋下知事のWTCへの府庁舎移転発言が府民の大きな関心事となっていますが、橋下知事はこの2月議会に予算案の提案と一緒に、この府庁舎移転案も提案したいとの意向を表明しています。庁舎移転の問題は、震災時の危機管理の中心を移動することであるとともに、大阪府の今後100年の方向を決定づける重要事であります。橋下知事が言うように、本当にWTCへの移転が大阪の発展をもたらせるのか、またそのためにはどんな条件が必要となるのか、また本当にその条件が整うのか、充分に精査し、議会としての役割をしっかり務めなければなりません。

いずれにしましても、今年は歴史に残る大変な年になると思います。オバマ大統領ではありませんが、なによりも大事なことは、みんなが結束し元気をだして頑張ることではないかと思います。このことを肝に銘じ府政に精励いたしてまいりたいと存じます。