なんといっても大阪再生・こころの再生

                               生活に直結する政治を目指し

 

大阪府議会議員   酒  井     

早いもので、皆さまからいただきました府議会議員の任期もあと1ヶ月ほどで終わろうとしております。皆さまのご厚情に厚く感謝申し上げますとともに、今任期最後の府政のご報告をさせていただきます。

今任期を振り返って

今任期は、大きな変化の時期でありました。

とりわけ、バブル崩壊後の日本経済の建て直しと、硬直化した日本の行財政の仕組みを根本から改革しようとする小泉内閣の姿勢は、旧来の法律や制度という大きな壁にぶっかっていた地方の改革にも、画期的な影響を与えました。

大阪府でも、全国に先駆け、平成7年より開始した行財政改革、財政再建に拍車をかけ、バブルの負の遺産の整理や、府の大きな経費である職員人件費の改革に多大な効果をあげることができました。

裏金問題

一方、真に残念なことは、裏金問題の発生であります。府民の皆さまの府政への大きく失墜させましたことは、議会人としても、真に慙愧にたえず、衷心より深くお詫び申し上げます。

府議会では、昨年12月15日、ただちに調査特別委員会を設置し、調査を行ってきましたが、事件の全容とともに、公務員社会独特の仲間意識や独善性、閉鎖性といった構造的な問題が提議されて参り、この問題の徹底的な解明と解決こそが、行政改革、公務員改革の原点と考え、二度とこのようなことを起こさぬ府政にするため、現在、集中的な取り組みを行っているところであります。

大阪の姿

H19-2.JPG - 61,756BYTESさて、府民の皆さんから、よく聞かれるのは、「大阪の景気がよくなったというが、ほんまに良くなったんか」というお尋ねであります。
  答えは、半分イエス、半分ノーであります。
  別表のように、近畿の輸出入額の大幅な改善や、工場の立地動向、また、直近の雇用関係を表す有効求人倍率の表をみれば、大阪の景気が、ずいぶん良くなったことは、事実ですが、未だ府内総生産は、ピーク時の93%であり、事業所の数もピーク時の80%に減ったままであり、そういう意味では、まだまだ厳しい状況にあるのが、大阪経済の実態であります。

こうした観点から、今、開会中の府議会でも、大阪の企業、特に製造業が大阪で、工場をつくったり、研究施設をつくってもらえるような支援策をより強化するための予算案の審議をしています。
 また、大阪で、住んでいても、商売をするにしても、一番大事なことは、安心安全であります。このため、治安対策の推進を大阪府の最重点施策のひとつとして、安全なまちづくり条例の制定や、警察官の数を平成14年より毎年増やし、合計1400名の増員を図ってきました。そして、公民あげての治安対策の推進で、別表のように、悪名高いひったくりも半減するところまできました。

行財政改革と財政再建

大阪府では、平成7年より、全国に先駆けて行財政改革に取り組んできました。

ところで、行政サービスの大部分は、マンパワー(府では教員、警察官が全体の約88%)で構成されおり、実は歳出の3分の1は人件費で占められています。このため、行財政改革を進めるということは、詰まるところは、如何に公務員改革を進めるかということになります。

次の表は、大阪府の人件費改革の推進状況をまとめたものですが、大阪府では、行政改革の最大の柱として、教員と警察官以外の一般職員を平成23年度までに二割削減するという目標をかかげ、毎年職員数を削減してきました。また、府立の病院と大学を独立行政法人化し、職員の転籍を進め、平成13年に15、536であった府の一般職員数を、現在では10、803人、そして平成23年には、9、400人に削減することにしています。

このほか、外郭の出資法人の削減や事務事業の見直し等の歳出削減の努力や、府税収入の回復(別表に記載)とが相俟ち、平成十九年の再建団体転落の危機もどうにか回避でき、平成二十二年には、府財政の黒字化が出来るよう目指しているところであります。

こころの再生



昨年を表す漢字として、「命」という言葉が選ばれましたが、親が子を殺め、子が親を殺める、さらに、イジメによる痛ましい自殺や、児童虐待の頻発等は、今日の社会の最も憂うべき問題であります。

戦後の社会経済環境や家族環境、社会観や価値観の激しい変化の中で、日本の国は今、家族の崩壊と本来あるべき人間性の喪失という重大な社会課題に直面しております。

昨年9月発足した安倍政権も「豊かな人間性の育成」と「子ども達の世代が自信と誇りを持てる日本の再生」を内閣の最大の使命と致しております。

まさに、日本人の「こころの再生」と「健全な日本社会の再生」は待ったなしの課題であり、また、そのことは国だけの課題でなく、大阪府においても、これからの府政の最大の課題であるということを深く銘記し、初心忘れることなく、生活に直結する政治を目指し、今後とも、懸命の努力を致してまいりたいと存じております。