求められる温室効果ガス削減
本年7月にイタリアで開催されたサミットで、先進国は2050年までに温室効果ガスの排出量を現状より80%以上削減する必要がある、との考え方が支持された。米英はすでにそれを長期目標として掲げている。
日本は、中期目標として2020年までに1990年比で25%削減を目指すことを鳩山首相が国連の気候変動サミットで明言した。 しかし、鳩山内閣における具体的な実現方法はまだ示されていない。
前政権での想定では、25%減らすには太陽光発電の発電容量を2005年比で55倍と大量に普及させること。また、高断熱住宅が新築の100%を占め、既存の住宅も100%改修されること、乗用車は次世代型の車が新車販売の90%、保有台数の40%となることなどが必要と想定されている。
地方自治体においても、地方の実情に応じたきめ細かな対策が求められるところだ。
−エコカーの普及促進を−
新エネルギー都市のイメ
こうした観点から、自民党府議団では9月定例府議会で、「将来ビジョン・大阪」で掲げられた「新エネルギー都市ナンバー1」についてのイメージを橋下知事らに質した。
知事は「太陽光発電などの新エネルギーの活用により、温室効果ガスの排出が抑制され、新エネルギー関連産業等が集積した世界に誇る都市」を目指すとし、その実現のため、「従来の環境面の取り組みに加え、ベイエリアを中心に集積する新エネルギー産業や最先端の研究を行う大学・研究機関、ものづくり中小企業などのポテンシャルを生かした産業振興戦略を策定した」と答弁。
今後、この戦略に基づき、
@電気自動車を核に産業振 興を図る大阪EVアクション・プログラムの推進
A新エネルギー産業と大学 等の出会いを促進し、企 業ニーズを踏まえた研究 シーズの創出
Bものづくり中小企業の新 エネルギー産業への参入 促進などに取り組み、新エネルギー産業のイノベーション拠点として世界をリードする大阪を目指す、としている。
環境先進都市を目指す
また、府議団では電気自動車、太陽光発電、燃料電池などのキーワードはあっても、具体的な施策が見えてこない。環境先進都市を目指すなら、燃料電池やエコカーの普及促進に向けての戦略、太陽光発電システム導入状況の目標数値を早急に示すなどの具体策を明らかにすべきだと主張した。
知事はエコカーの普及促進については、CO2削減などの環境保全の観点から、官民一体となって包括的・中長期的な普及戦略を12月までに策定すること。さらに、数値目標の設定等「環境先進都市」への道筋については、平成22年度に改定する環境総合計画の中で示していくこと、などを約束した。
自民党府議団としては、新エネルギー都市ナンバー1の実現に向けての戦略・具体策について積極的に進めるよう府に対し、働きかけていく。