公立病院の再編 地域医療の最適形態を考えよ

再編・ネットワーク化へ 府がリーダーシップを

  市立松原病院が閉鎖を余儀なくされたことは残念だが、経営改善の見込みが立たない、ということであれば、ある意味やむを得ない。大事なことは、病院の閉鎖がやむを得ないのであるなら、どういった形態の地域医療が最適であるのか、といFGH21-3.JPG - 43,089BYTESうことを病院が閉鎖に至る前に、地域で積極的に考えていくことだ。

◎住民の納得を

公立病院の経営は、どこも苦しいのが実情だ。経営が力尽きてしまえば、結局、困るのは残された地元住民である。あらかじめよく議論し、地元住民の納得と安心感を得ておくことが非常に重要だ。

 今回、府が策定した「公立病院改革に関する指針」の中でも触れられている再編・ネットワーク化について、主に考えるべきは地元市町村なのかもしれないが、その地域や2次医療圏にとって最も望ましい医療提供体制はどうあるべきか、ということについては広域自治体である府自らが大局的な見地から考え、強いリーダーシップでもって積極的に乗り出していくべきだ、と自民党府議団では主張している。

 赤字体質と医師不足 

実は、この問題は、すでに平成19年9月定例会で我が党の代表質問でも指摘した。「自治体病院は赤字体質と医師不足でぎりぎりの状態だ」「再編整備について、市町村に判断を委ねると、首長の思惑もあってまとまりにくい」と訴えたが、結局、今でも当時と同じ課題が残ったままである。府の対応は遅きに失していると言わざるを得ない。公立病院の再編・ネットワーク化については、府として具体的に数値目標を掲げて取り組むべきだ、と考える。

  地域連絡会で調整

これに対し、橋下知事は21年2月の定例府議会で「20年10月に策定した指針に基づき、特に医師不足が深刻な泉州や南河内を中心に、各病院長らをメンバーとする地域連絡会を開催するなどして調整を進めている」と答弁。

 また、南河内については、市立松原病院の閉院に伴う地域医療確保の観点から、松原市に協力し、近隣の民間病院への機能継承について調整してきたが、その実現に一定のめどが立った。泉州では地域を南北に分けたうえで、いくつかの病院をグループ化し、有効な連携策について検討中で、医師の相互応援や診療科の集約など、徐々に連携の機運は高まりつつある、としている。

  泉州を最重点地域に

「数値目標を掲げて取り組むべきだ」との我が党の主張に対しては、知事は「できるだけ具体的な目標を持つことは重要」としたうえで、「医師不足が最も深刻な泉州を最重点地域と位置づけ、一部で進みつつある診療科の集約や独立行政法人化の流れなども踏まえながら、指針に示した再編・ネットワーク化が私の任期中に実現できるよう、取り組んでいく」と決意を示している。

  府議団では今後も地域医療の充実に向け、しっかりと取り組んでいく方針だ。

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