行財政運営に関する緊急提言

 

 

  大阪府議会自民党議員団は、府政の施策推進について党の見解をまとめ、その都度、知事に要望、改善を求めてきましたが、今回は特に、緊迫する経済危機の中、平成二十一年度予算編成ではバブル崩壊後も超える大幅な税収不足が予測されており、このため、1月23日橋本知事に、平成二十一年度の府政運営のあり方につき「行財政運営に関する緊急提言」を致しました。

 

アメリカ発の金融危機が世界中に波及し、府民生活や企業活動に深刻な影響を及ぼしている。消費の低迷や企業業績の悪化などから、国、地方を問わず、税収入は大きく落ち込むことが確実視されている。大阪府においても、平成21年度税収見込みは、平成20年度本格予算と比較して、2,300億円を超える減収が見込まれている。

経済情勢が好転するまでの間、これまで取り組んできた行財政改革に加えて、大幅な税収減に対応する特別な財政運営が求められる。

今回の緊急提言は、危機的な財政状況の下において、大阪府がとるべき方策と我党「財務リストラプロジェクトチーム」が取りまとめた「歳入の確保に関する提言(第2次)」を併せて行うものである。 平成21年度の予算編成と施策推進にあたっては、これらのことを留意して取り組むよう強く要望する。

 

  【 大阪府がとるべき方策 】

1 行政の基本的責務である施策の維持

 我が党が行政の基本的責務であると強く主張してきた「福祉」「医療」「まちの安全」「教育」の各分野は、知事が示す最重点分野である「障がい者支援」「いのち」「治安」「教育」と同意義である。これらに関する施策は、いかなる財政状況の下にあっても、事業の削減対象とせず、地方自治体としての最低限の責務と役割を果たすこと。

 

  2 大阪維新プログラム案の精査と歳入確保努力

  大阪維新プログラム案は、限られた時間の中で策定されたため、それぞれの施策の必要性が十分議論されずに、平成21年度予算に反映されようとしている。まずは、大阪維新プログラム案を精査し、最低限必要な行政サービスを明確化すること。そして、それらの行政サービスを維持するため必要な歳出に見合った歳入を確保するため、最大限の努力を行うこと。

 

  3 財政ルールの柔軟な対応

  平成21年度税収が大幅に落ち込むことが見込まれ、危機的な財政状況にあることから、退職手当債の活用や財政調整基金の取り崩し等による資金調達の方法も、状況に応じて柔軟に対応すること。ただし、安易な将来世代への負担につながることのないよう、全ての府有資産を見直し、その評価を行い、売却も含めて起債の償還財源とすべきであること。

 

  4 国への要望活動の強化

  大阪府が血のにじむほどの行財政改革努力を行っても、景気動向により、行財政需要に対応する税財源が十分確保できず、予算編成に支障をきたしていることは、地方税財政制度の欠陥である。国に対して、地方税財政制度の改革と地方の実情に応じた自主的な財政運営ができるよう地方税財政権の確立を強く求めること。